DAシンポジウム 2016
特別企画
基調講演(9月14日(水)午後)
オープンソースを利活用した完全自動運転システムの研究開発プラットフォーム
加藤 真平 先生 (東京大学)
近年、自動車メーカーや部品メーカー、電機 メーカー、更にはITベンダーに至るまで、自動運転技術の開発競争が繰り広げられている。一般道での完全自動運転を実現するためには、コンピュータがリアル タイムに高度な認知、判断、操作を行う必要がある。本講演では、これら認知、判断、操作にかかる要素技術を兼ね備えたオープンソースのソフトウェアプラッ トフォーム「Autoware」について解説する。個別の機能モジュールの説明とリアルタイム処理環境について述べ、特に高精度3次元地図やセンサフュージョンによる物体検出等、最近の技術トレンドを交えて解説する。GPUやマルチコアによる並列化プログラミングを適用することで処理速度を10倍程度短縮できる仕組みも解説す る他、今後の設計・開発に関する課題についても説明する。また、Autowareを使った開発事例や一般道における完全自動運転の実証実験の事例も紹介し、現状の法規制やリスク、倫理的な問題についても言及する。
招待講演(9月15日(水)午前)
長距離大容量デジタルコヒーレント光伝送システム向け大規模LSIの開発
木坂 由明 様 (日本電信電話株式会社 NTT 未来ねっと研究所)
本格的なビッグデータ社会の基盤となる光通信ネットワークには、更なる高速化・大容量化および経済化が求められている。近年、デジタル信号処理により高い受信感度と周波数利用効率を実現するデジタルコヒーレント光伝送方式が注目を集め、活発に研究開発が進められている。現在、チャネルあたり100 Gbit/sの光伝送において実用化され、総伝送容量8 Tbit/sの長距離大容量光伝送システムが商用導入されている。本発表では、複数組織参画によるオープンイノベーション方式により研究開発を行ったデジタルコヒーレント光伝送技術とその主要機能を実現する大規模デジタル信号処理回路(DSP)について紹介する。
招待講演(9月15日(水)午後)
Altera SDK for OpenCLを用いたシステム設計手法及び応用事例
竹村 幸尚 様 (日本アルテラ株式会社)
FPGAの大規模化や高度化に伴い、FPGAを低消費電力汎用アクセラレータとして運用する事例が増えてきている。ここではそのような応用に適用する際のデザインメソドロジとして最適なAltera SDK for OpenCLに焦点を当て、FPGAに対するOpenCL適用の考え方やFPGA特有の記述方法、最適化手法、及び応用事例を紹介する。
招待講演(9月16日(金)午前)
バイオ医療分野における半導体デバイスの役割と今後の展開
太田 淳 先生 (奈良先端科学技術大学院大学)
バイオやヘルスケア、医療の分野において半導体デバイスの果たす役割はますます大きくなっている。本講演では、ウィルス検出やDNA解析などのバイオ計測・解析デバイスから、人工視覚など生体内埋植デバイスまで幾つかの実例の紹介を通じて、バイオ医療分野への半導体デバイス応用における課題と今後の展望について述べる。